中学生の不登校から８年間のひきこもり ～ 親の愛が起こした奇跡 その５
不登校や引きこもりには治りやすい時期がある！
私がカウンセリングをお断りして５年ほどたった頃、
M君のお母さんから憔悴しきったような声で
お電話をいただきました。
あれから、様々なカウンセリングや病院などを
まわったそうですが、一向にらちが明かず、
中学に復学どころか、高校にも行けず、そのまま
家に引きこもってしまい。極度の情緒不安定から
家庭内暴力という最悪の状況に陥ってしまっていました。
そして同級生たちが高校卒業となる１８歳の冬、
M君の状態はますます悪化して暴力もひどくなり、
ご両親も手のほどこしようがなくなってしまいました。
このようにある時期に状態が悪化するのは、
よくあるパターンです。
不登校や引きこもりの子たちには、焦りを感じ、
情緒不安定になる時期というものがあるのです。
それは、中学卒業となる１５歳の冬から春にかけて、
高校卒業となる１８歳の冬から春にかけて、
成人となる二十歳の誕生日や成人式の前後、
大学を卒業して就職となる２２歳の春などです。
この時期は、不登校や引きこもりをしている本人も
とくに焦ってくるので、状態はひどくなるのですが、
逆に脱出のチャンスでもあるのです。
しかし、この時期にうまく対処できなければ、
絶望感に打ちひしがれて、症状がさらに悪化してしまう
危険な時期でもあります。
M君のご両親は、もちろんそんなことは知る由もなく、
ただただネット上で助けてくれそうなところを
必死で探されたそうです。
そして、たまたま以前断られた私のHPを見つけ、
さっそく連絡をくださったということです。
不登校になったばかりで心に余裕があった頃は、
『なんで自分たちが態度を改めなきゃならないの。
悪いのは息子をいじめた子たちなんだから、
息子の傷ついた心を癒してくれるのが、
カウンセラーの仕事じゃないの』
と思っていたそうです。
しかし、M君から
「お前たちのせいでこうなったんだ」
と暴れながら怒鳴られるたびに、
『不登校や引きこもりは親に責任がある』
という私の言葉がいつも心によみがえり、
でもそれを打ち消して、という繰り返しで
結局、高校に行かせるチャンスもフイにして
しまったと、後悔されていました。
これがM君の引きこもり脱出の大きな転機となるのですが、
この続きは、また次回お話します。
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