不登校、引きこもり、ニートの治しかた~専門心理カウンセリングで用いられる早期解決の対処法

不登校、引きこもりの専門カウンセリングを行って25年。どこに相談しても解決できない人たちのための心理カウンセラー、天地真理があなたの家庭を立て直します

子供に命令できない親が不登校、引きこもりをつくる

子供の不登校や引きこもりに悩むほとんどのご家庭に共通した特徴があります。

それは親御さんが自分の子供に命令ができない、ということです。


最近では、友だちのような親御関係を当たり前とするような風潮があり、テレビ番組などでもそのような親子が映っていたりします。

もちろんそれはそれで微笑ましい光景ではあるのですが、そんな友だち親子の関係が良好に成り立つのは子供がちゃんと親から自立できているか、親も子も働く必要のないほどの資産をもっているか、どちらかのケースにかぎります。


学校の勉強もまともにしない、料理も掃除洗濯もやらない、ただただネットやゲームばかりで日々だらだらと過ごしているだけ、といったような幼稚園児がそのまま小学生、中学生、高校生、あるいは大人になったような子供に対しておなじレベルで付き合おうとするのは、親の義務の放棄にすぎません。

一生働かなくても生きていけるだけの財産や不動産収入などがあるようなご家庭であれば、それでも問題はないでしょう。


しかしそうでなければ、親は子供がちゃんと自立してひとりで生きていけるように教育してやらなければなりません。

これは学校の先生の役割ではなく、ましてや友だちの役割でもありません。


学校にさえ行かせておけば子供は自然に自立するもの、社会性を身につけるもの、という思いこみを多くの親御さんがもっています。

もちろん、人間はまわりの人を見て学ぶことのできる生き物ですから、学校生活の中で先生との付き合いから自立を学んだり、友人がアルバイトをしたり、就職したりするのを見て、自分も自立しなければという意識が芽生えることもあるでしょう。


しかしそれはあくまでも幸運なめぐり合わせによるもので、それとおなじだけの確率で先生や友人によって学校に行けなくさせられてしまったり、場合によっては悪の道に引きずりこまれたりすることもあります。

これはガラの悪い学校にかぎったことではなく、有名進学校や良家の子女が通う私立校でもおなじです。

ですから、学校に過度な期待をしてはいけません。


親はあくまでも親であって、その子の人生になんの責任もない友だちではないのです。

ですから、時には子供に対して命令することも必要なのです。


例えば、不登校や引きこもりの子に悩んでいる親御さんに私は、家のルールをちゃんと作ってそれを守らせてください、ということをまず第一に言います。

と言うのも大抵の場合、子供の問題で悩んでいるご家庭には、家のルールというものがないのです。


家の手伝いもさせない
ネットやゲームは使いたい放題
食事も好きなときに好きなものを食べる

このように好き勝手な生活をさせているため、自分をおさえてガマンしなければならない学校生活になじめないということで不登校になったり、しんどい仕事はしたくない、毎日決まったスケジュールで動くなんてイヤだと家に引きこもってしまうケースは少なくありません。

結局、家できちんとしたルールを作ってそれを守らせてこなかったので、社会に出てもルールを守れないようになってしまっているのです。


また、家のルールがなく携帯、パソコンは使い放題となっていて、それが昼夜逆転やネット依存からの無気力につながって、ますます不登校や引きこもりを深刻化させてしまっているというご家庭もほとんどです。


ですから、不登校や引きこもり解決の手始めとしては、やはりルールを守らせるというところから育て直しをしていく必要があるのです。


ただ、親子関係が友だちをとおりこして逆転してしまっていて、主従関係になってしまっているご家庭も珍しくありません。
(もちろん、子供が主で親が従です)

子供に命令するどころか、親御さんのほうが『あれ買ってこい』、『これをこうしろ』と、命令されていたりするのです。


まさに甘やかしすぎた結果ではありますが、最近では発達障害の影響でこのような性格になってしまったのだろうと思われるお子さんも増えてきました。

いずれにしても、ここまでくると親御さんだけでは対処できないので、カウンセラーなど第三者の力を借りるしかないのですが、それすらも子供に遠慮してできない親御さんも多いものです。


結局そんなところに、いつまでたっても引きこもりの大半が解決できず、どんどん引きこもりの高齢化が進んでいっている要因のひとつがあるのでしょう。


不登校、引きこもり解決のヒント】

子供にちゃんと命令できる親御さんは、ただしい導き方を学ぶこと

子供に命令できない親御さんは、すみやかに第三者の力をかりて、協力して対処すること

子供に命令されている親御さんは、まずはそれを拒否する強さを身につけるか、子供から離れること