不登校、引きこもり、ニートの治しかた~専門心理カウンセリングで用いられる早期解決の対処法

不登校、引きこもりの専門カウンセリングを行って25年。どこに相談しても解決できない人たちのための心理カウンセラー、天地真理があなたの家庭を立て直します

危なすぎる引きこもりの行く末

人は手遅れにならないとわからないのか?

結局は親の問題ではあるが・・・

最近、こんな本を紹介されました。

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「子供を殺してください」という親たち  押川 剛 著

タイトルを見ただけで怖いですね。

これは小説でなくノンフィクションなので、よけいに恐ろしくなります。

著者は、精神疾患をかかえて引きこもりになっていたりする人たちを医療機関につなげる仕事をされている方で、そのいくつかのケースが紹介されている本になります。

私も引きこもりの人たちを社会復帰させるサポートをしていますが、私の場合は精神疾患まで悪化して病院での治療が必要な場合はサポートをお断りしています。
押川氏はちょうど私がお断りしているような方々を対象とされているようです。

もし、二人が組めば全ケース対応となる感じですね。

ただ実際は私と押川氏を合わせても、全ケースに対応できることはないでしょう。
なぜならば、一口に精神疾患と言っても先天的なものと後天的なものとがあり、後天的なものはほとんどのケースで家族の対応に問題があるからです。

家庭環境に問題がある場合は、家族の方が変わらないかぎり、だれが何をやってもムダになってしまいます。
にも関わらず、そこのところを理解していただける親御さんは、案外少ないものです。
だから、私がそのようなご家庭からの相談はお断りしているとおり、全ケースで解決などというおめでたいことはありません。

引きこもりを放置すると

本の中では、まともな対人関係が築けず仕事に就けなかったり、家庭内暴力や他人への暴力、ギャンブル依存、アルコール依存などで社会に適合できない様々なケースが紹介されています。
その中には、先天的な人格障害、パーソナリティ障害、統合失調症のため、幼児期から乱暴で、わがままで、親ももてあましていたような子が、そのまま大人になってしまったというようなケースも紹介されています。

実際、私の経験からも、親がどのような立派なしつけや接し方をしていても、この子はこうなってしまっただろうな、という気の毒としか言いようのないケースは多々あります。

しかし、深刻な精神疾患を患っているケースでも、半数ぐらいは親の育て方や接し方に問題あり、ということがみてとれます。

その中でも一番おおいのが、子供が問題行動をとっていることを認めてしまうと自分の育て方のまちがいを認めてしまうことになるので、見てみないふりをして何年も放置するというケースです。

ガマンしていればそのうち治るだろう、という淡い期待ももっているのでしょうが、そんな甘い考えが通用するはずもありません。

間違いは早期に正さないと間違いに間違いを重ねていくことになるので、状況はどんどん複雑になり、子供の精神状態も悪化していくに決まっているのです。

本の著者、押川氏も、子供の家庭内暴力は子供時代に受けた親からの仕打ちに対する復讐であるかのように思われると書いています。

私もまったく同感です。

不登校や引きこもりの子たちが共通して口にするセリフは『オレ(私)をこんな状態にしたのはお前らだ』というものです。
お前らというのは、もちろん親のことです。

欲しいものはなんでも与えてやったのに、一流の大学まで行かせてやったのに、言うことはなんでも聞いてやったのに、と子供のためを思って育ててきたと信じている人が多いものですが、それは本当に純粋に子供のためを思っての愛情からの行動だったのか考えなおしてみる必要があります。

子供のためを思っていると言いながら何年も放置しているというのは、ハッキリ言って矛盾しています。

結局そのような矛盾した考えのままに、十分な愛情を子供に与えてこなかったことが大元の原因となっているのです。

手遅れになってしまうとどうなるのか、ぜひ一度、押川氏の本を読んでみてください。