不登校、引きこもり、ニートの治しかた~専門心理カウンセリングで用いられる早期解決の対処法

不登校、引きこもりの専門カウンセリングを行って25年。どこに相談しても解決できない人たちのための心理カウンセラー、天地真理があなたの家庭を立て直します

不登校や引きこもりを解決する正しい手順

目次

  • もうそろそろ不登校、引きこもりを解決しませんか?
  •  不登校や引きこもりをつくる家庭環境
  • 治るか?治らないか?それが一番大事
  •  不登校、引きこもりの判断基準
    • 不登校、引きこもりの度合い
    • カウンセリングで治るのは?
    • 不登校、引きこもり5つの精神状態の第1段階について

 

もうそろそろ不登校、引きこもりを解決しませんか?

 当たり前のことですが、不登校や引きこもりを解消するためには、正しい手順で対処していくことが絶対に必要になります。

 ただその正しい手順とその具体的な方法がわからないために、世の親御さんは悩み苦しんでいて、また何十万人という不登校や引きこもりの当人たちも孤独で辛い人生を歩むことを余儀なくされているわけですが・・・

 

私は25年以上にわたって不登校や引きこもりを専門としたカウンセリングを行ってきましたので、不登校や引きこもりの原因や実態解明もほぼ終えて、その解決法もある程度確立させています。

ある程度と言ったのは、これらの解決にはその原因や家庭環境、精神状態の深刻度合いなどによって様々に対応していかなければならないため、こうすれば必ず解決するといった画一的な方法はないということと、手遅れであったり、重度の精神疾患であったりして解決不可能なケースもあるためです。

 

ただ私は、家から出られないような重度の引きこもりの人たちに対して、ほとんど誰も行っていなかった出張カウンセリングを開業当初から行ってきただけに、現在では日本の第一人者と言われるだけの知識と経験、実績をもっています。

 

そこで、お子さんの不登校や引きこもりにお悩みの親御さんたちに、少しでも早く問題を解決して明るいご家庭を取り戻していただくために、不登校や引きこもり解決のための正しい手順と具体的な方法とを紹介していきたいと思います。

 

「手順なんかよりも、解決法を早く教えてほしい」という方もおられるかと思いますが、正しい手順を知ることこそが解決への第一歩なのです。

 

手順というのは、数学で例えて言えば公式のようなものです。

難解な数式を解いていくにはためには、まずはその問題を解くための公式を知らなければなりません。

そのあとで、具体的な数字を当てはめて計算して、はじめて正解が導きだせるでしょう。

 

不登校や引きこもりというのは高等数学以上の難問であり、しかも、間違えても人生になんら影響をあたえることのない数学の問題に対して、ほんの少しやり方を間違えただけでも人生を破滅させてしまう結果になることもある大問題なのです。

ですから当然、より慎重に、確実に対処を進めていかなければなりません。

 

そんなわけですから、具体的な解決法についても追って紹介していきますが、まずは公式に当たる手順について知っていただきたいと思います。

 

以下に、不登校や引きこもりを解決するためのの手順を紹介します。

 

不登校、引きこもり解決の手順

  1. 現状把握
  2. お子さんの性格診断&パーソナリティ診断
  3. 原因特定
  4. お子さんの性格、個性(パーソナリティ)、及び、原因に応じたカウンセリング
  5. 受け入れ体制(進路)の準備

 

多少の知識を持ったカウンセラーのいるカウンセリングセンターなら、上記のいくつかは行なっているかもしれません。

 

しかし、これはどれかひとつふたつをすればいいというものではなく、上に挙げた5つの事項すべてをきちんとやっておく必要があります。

この手順のひとつでも省くと、ちゃんとした立ち直りや社会復帰は困難になってきます。

 

もちろん、それぞれの手順にある対処法をどこまで正しく適切に行えるかも、結果をおおきく左右することは言うまでもありません。

  

ですから、この手順どおりに、そして、適切に解決までの工程をおこなっていかなければなりません。

 適切にというのは、例えば『現状把握』と言っても、

「いじめられて不登校になり、家に引きこもり、昼夜逆転の生活をしている」

 といった程度のごく薄っぺらい情報だけでは、ぜんぜん現状把握には程遠いと言え、これではとうてい次の段階に進むことはできません。

 

それでは一体どうしなければならないのでしょうか。

 

まずは、手順の第一歩である現状把握について詳しく解説していきましょう。

 不登校や引きこもりをつくる家庭環境

 現状というのは、まずはお子さんの生活習慣や家庭でのふるまい、立ち位置などが一番に挙げられます。

その他にも不登校の場合は、学校、教師との関係、交友関係などの把握も必要です。

さらに、何らかの精神疾患があるのか、発達障害やパーソナリティ障害など社会に適応しづらい資質があるのか、といった診断も重要です。

 

ただ実際には、そのようなお子さんだけの状況を把握するだけでは不十分です。

 

ご家族一人ひとりの性格や精神状態、人生観、育て方、お子さんへの接し方、といったことまで正しく把握することが必要なのです。

お子さんとお子さんを取り巻く環境、状況をあわせてみていくことで、その中にお子さんが不登校や引きこもりになった原因が見つかるのです。

 

不登校や引きこもりの解決をうたうカウンセラーや業者の中には、原因の特定など必要ないというところが多いのには驚かされますが、それは自ら経験と技量の不足を公言しているようなものだと言えます。

病院に行って、「原因なんか関係ない、この薬さえ飲めばどんな病気もたちどころに治るんだ」などという医師が出てきたらビックリするでしょう。

「どこが悪いかわからないけど、とにかく手術してみましょう」、などという医師からは、飛んで逃げだすでしょう。

 

まずは親御さん自身が現状を正しく認識することが大事ですが、第三者に相談される場合は、面談による詳細な状況把握や原因の特定をしない業者やカウンセラーには要注意です。

 

第1段階の現状把握が終われば、第2段階、お子さんの性格、性質をみていきます。

これは第1段階の現状把握と重なるところもありますが、第1段階のほうは主に精神の状態、第2段階のほうはもって生まれた、あるいは成長過程で培われた性格的な部分の判断という感じでとらえていただくと良いと思います。

 

そして第3段階が、それら総合的な見地から判断して原因を特定するということになります。

 

このように手順を踏んで真の問題点を見つけ出し、それを解決していかなければ、後になってより深刻な精神状態になってしまったり、最悪取り返しのつかないことになってしまったりすることも少なくありません。

 

不登校の子を無理やり高校に復学させて大学まで入学させたものの精神を病んでしまって廃人のようになってしまった

引きこもりの人を無理やり自立支援施設に入れたものの数か月で帰ってきて、家で暴れたり奇声をあげたり、家庭内暴力をふるうようになってしまった

 

このようなケースは、決して珍しいものではありません。

 

こうなってしまってから私のもとに相談に来られる親御さんが多いのですが、残念ながらここまで深刻化していると解決も非常に困難であり、解決まで数年かかったり、社会復帰まで回復させることはできなくなっていたりというケースもあります。

(以前はこのような深刻なケースはお断りさせていただいていたのですが、どうしてもとお願いされることが多いため、最近では少しでもお役に立てればということでカウンセリングをお引き受けしています)

 

親御さんのみならず、心理カウンセラーや精神科の医師ですら、子供の一時の気の迷いであると不登校や引きこもりを軽く考えている人が見受けられますが、実際はほんの少し対処を間違えただけでも人生を台無しにしてしまう危険性のあるほどの大問題なのです。

ですから当然、それ相応の慎重な対応が必要になります。

 

不登校や引きこもりを克服して、幸せで充実した人生を取り戻すためには、先に挙げた正しい手順を踏んで対処していかなければならず、その第1段階が現状把握となります。

 

最近では先天的な発達障害精神疾患などの影響から、家庭環境や育て方に関係なく不登校や引きこもりになってしまうお子さんも増えてきましたが、私がカウンセリングを始めたころは、そのようなケースは少なく、たいていは家庭環境や親御さんの教育方針、接し方に問題がありました。

 

いくら最高のカウンセリングをお子さんに対しておこなっても、不登校や引きこもりをつくりだす原因の真っただ中で生活していれば、いつまでたっても解決できるはずがありません。

 ですから、そんな無間地獄のような苦しみからお子さんを救い出すためにも、現状把握というのが何よりも優先して行うべき手順になるのです。

なお家庭環境などに問題がない場合でも、問題がないことを把握するためには、やはり現状把握が必要になってきます。

 

ちなみに、多くのご家庭の現状を聞き取りしていると、家庭環境や親御さんにはほとんど原因がなく、お子さんの先天的な人格や精神疾患に原因があるようなケースでは親御さんが自分たちの接し方や育て方が悪かったとひどく反省しておられて、あきらかに親御さんに問題があるようなケースでは、自分たちに原因があることを認められないということが結構あります。

 

いじめた生徒が悪い

先生や学校の対応が悪い

うちの子の心が弱いから

運が悪かった

 

もちろん、事故や天災、犯罪に巻き込まれたりして心にトラウマを負ってしまったような場合は、ご両親やご家族には責任はありません。

運が悪かった、というのが正解です。

実際私自身も、この子は(あるいは、このご家族は)なぜここまでついていないんだろう、と思うようなケースもたくさんみてきました。

 

しかしそうでなければ、ご家族にも必ず責任の一端はあるのです。

不登校やひきこもりというのは、決してお子さんだけの問題ではなくてご家族の問題でもあります。

 

それをきちんと理解し、ご自身、ご家族の現状もちゃんと把握する、それこそが不登校、ひきこもり、ニート解決の第一歩となり、次の段階へと進むことができるのです。

 

治るか?治らないか?それが一番大事

これまで現状把握の大切さについて説明してきましたが、その中でも親御さんやご家族の方にとって一番大事な現状、事実というのはいったい何だと思いますか。 

それは、

カウンセリングや自立サポートだけで解決できるかどうか?

 ということです。

 

当たり前ではあるのですが、この判断は非常に難しく、知識や経験のない親御さんだけでは間違えてしまうこともよくあります。

また、カウンセリングなどで解決できない場合、精神疾患として病院にかからなければならないのかとか、子供の人生は終わってしまうのか、といったような絶望的に思いにとらわれて現状を認めたくない気持ちになってしまっているケースもあるようです。

 

しかし実際には精神科に入院、通院したりしてもそれで人生が終わってしまうわけではありません。

精神科にかかることは何も恥ずかしいことではありませんし、ましてや、それで人生が終わってしまうわけでもありません。

 

むしろ必要な措置を行わず、精神科より聞こえのいいカウンセリングセンターなどで治すことにこだわって、症状をより悪化、深刻化させてしまうことのほうが、お子さんの人生にとって大きなダメージとなってしまいます。

 

またそんなこだわりから、不登校、引きこもりを商売にしている自称専門家につけこまれて大金を失うことにもなりかねません。

 

たしかに精神の正常と異常の判断は、普通の人だけでなく、医者にもカウンセラーにも難しいところがあります。

 

ですから親御さんとしては少しでも軽く現状を認識したいことと思いますが、やはり冷静に、客観的にお子さんの状態を見てみることが必要です。

 

それで判断できなければ、ありのままをカウンセラーなり、医師なりに伝えて判断をあおぐことが現状を正しく判断する最初の一歩です。

 

不登校やひきこもり以外でも、親御さんがお子さんのことで相談をして来られる場合、たいていのケースで親御さんの説明よりも事態は深刻なものです。

ですから、実際にお子さんと面談するまでは、こちらも5割増しぐらいで親御さんの話を聞いて状況を判断するようにはしています。

 

しかし、すべてのカウンセラーがそこまで深読みして判断を下すとはかぎりません。

 

カウンセラーに相談する場合は、より正確に状況を把握するためには、こんなことは言わなくてもいいかな、という些細なこともぜひ伝えてください。 

(親御さんによっては、暴言や暴力まで些細なことに思えてしまう人もいますので)

 

それによって、カウンセリングや自立サポートだけで解決できるのかどうかの判断のおおきな助けになります。

 

なお精神科での治療が必要であると判断された場合でも、治療を終えて、あるいは、薬を飲みながらカウンセリングやサポートを受けることで、まったく普通の人と変わらない生活をおくれるようになる人もたくさんいます。

ですから、適切な対処をすることを最優先に対応していってください。

 

 不登校、引きこもりの判断基準

最初に把握すべきポイントは、カウンセリングで治るか?治らないか?だと言いました。

 

もちろん、カウンセリングで治らない場合は精神科に入院、又は、在宅治療ということになります。

 

ここでは、そのように精神科にかかるか否か、カウンセリングで治るかどうかを判断するための5つの段階についてお話します。

 

不登校、引きこもりの度合い

  1. ほぼ健全な精神状態
  2. 神経症の一歩手前
  3. 神経症
  4. 精神を病んでいる
  5. 完全な精神疾患

おおまかに分けるとこの5段階になります。

見てのとおり、1から徐々に深刻化している状態です。

 

これは不登校やひきこもりのお子さんの精神状態がどうなのかを判断するためのものですが、同時に進行度合いも表しています。

 

不登校やひきこもりになって年月が経つにつれて、どんどんつぎの段階へと進んでいくのです。

 

ですから、現状が1や2の段階だとしてもそのまま適切な対処を怠り放置していると3、4、5と状態は悪化していきます。

 

これが、私がいつも

不登校、引きこもりは進行性の病気と同じ』

と言っている所以なのです。

 

カウンセリングで治るのは?

それではカウンセリングで解決できるのは、どの段階までなのでしょうか。

 

通常は、3までの段階です。

 

そして、放置していても自力で立ち直る可能性があるのは1の段階で、しかも、はじめての不登校や引きこもりであって、そうなってから1年未満の人ぐらいです。

もちろん、これは精神状態だけからみたおおまかな目安ですから、正しく診断するには、総合的にお子さんの状態を診なければなりません。

 

また、カウンセリングで解決できるといっても、もちろん、どんなカウンセリングでもいいというものではありません。

 

下手なカウンセリングにかかったために、よけいに解決が長びき、状態が悪化してしまったという例は無数にあるので要注意です。

 

次は、この5段階を詳しく見ていきますが、その前に現状把握としてどのような点をチェックすればいいのかを紹介しておきましょう。

 

◆把握すべきポイント

当人について

  1. 精神状態はどうか?
  2. パーソナティー(人格)に、問題はないか?
  3. どんな性格か?
  4. 外見、持ち物、部屋の状態
  5. 日常生活
  6. 本人の意志、希望、心境

家族について

  1. 子供に対する思い、接し方、教育方針
  2. 両親の性格
  3. 夫婦関係
  4. 兄弟姉妹と当人との関係

その他

  1. 食生活
  2. 家まわりの環境
  3. 交友関係
  4. 学校との関係(不登校の場合)

 

とりあえず、これだけは把握しておきたいものです。

 


不登校、引きこもり5つの精神状態の第1段階について

不登校、引きこもりの度合い

 

  1. ほぼ健全な精神状態
  2. 神経症の一歩手前
  3. 神経症
  4. 精神を病んでいる
  5. 完全な精神疾患

先に、この5段階の精神状態があることはお話しました。

ここではそれぞれについて詳しく見ていきます。


1.ほぼ健全な精神状態
お子さんが不登校から引きこもりになってしまっている場合や1年以上の長期間の引きこもり、あるいは、家から一歩も出ることができない引きこもりである場合は、この段階であることはごく稀です。
この段階であるのは、ほとんどが不登校の子です。

精神状態が健全でありながら不登校になるというのは、当人よりもまわりの人や環境に不登校の原因がある場合です。

例えば、
たちの悪いクラスメートからいじめられている
日常的に暴言や暴力を振るうような教師がいる
といったような理由で避難行動として学校に行かない、という場合です。

このような子は、むしろ、そんな状況にどうしていいか分からずにじっと我慢して学校に行き続けているような子よりもよほど精神的に自立しています。

ですから、うまく環境を変えてやりさえすれば、自分で立ち直っていきますし、ほうっておいても自分で進むべき道を見つけてくることもあります。

ただし、自分を不登校に追いやった原因を自分の周囲のみならず、社会全体にまで広げて恨みや反感を持ってしまうと、正義感や自立心が逆に災いして精神的にマイナスの方に向かってしまいがちです。

さらに不登校が長引いて怠け癖までついてくると、少々環境が変わっても復学への意欲もなくなり、長期のひきこもりに突入してしまうこともあります。

ですから、
『うちの子はまだ第1段階にあるから大丈夫』
と安心していると、いつのまにか第3段階、4段階へと進んでいた、ということにもなりかねません。

やはり、この段階であっても油断は禁物でできるかぎり早期の対処が必要です。

 

 

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引きこもりは育てなおしで解決

引きこもりは育てなおしで解決

引きこもりは、それを許してしまっている家庭環境に原因の一端があります。

家庭環境とは、引きこもれる部屋が与えられているという物理的な意味もありますし、家族関係という意味や育て方という意味もあります。

ですからお子さんを引きこもりから脱出させるためには、家庭環境をおおきく変えるか、お子さんを家から離してしまうか、どちらかの対応が必要になります。


そしてこれまでの私の引きこもり対処法は、当人のカウンセリングと並行して家庭環境を変えてもらうべくご家族にアドバイスするといったものでした。

ただ、この方法にはおおきな難点があります。それは、ご家族の協力がなければ上手くいかないということです。


子供の引きこもりに悩まされているのであれば、家族もそれぐらい協力するだろうと思われるかもしれませんが、実際はそれほどカンタンにはいきません。

なぜならば、人間は自分を変えるということはなかなかできないからです。

また、そもそも自分に問題があったと思っていない親御さんもいます。

そのようなケースでは、少しずつでもできるところから変えていってもらうということになりますが、やはりその分だけ時間はかかってしまいます。


ですから、自分も家庭環境もすぐには変えられないので、まずは子供の心のほうを変えて欲しいと望まれる親御さんからの要望も多くいただいています。

もちろん、それを可能にする方法がないわけではありません。

それがさきほど述べた、家からお子さんを離すという方法になります。


ただしこれまでは家から離したお子さんを受け入れる体制が整っていなかったため、それはできませんでした。

しかし今回ようやく、お子さんを受け入れて自立した人間へと成長できるように育てなおしをするシステム【育てなおしの家】の体制が整いました。


自分を変えたいという前向きな気持ちをもって家からでようという人はすぐにでも受け入れ可能ですし、家から出られないという人には、まずは自宅訪問で気持ちを前向きにもってもらうためのカウンセリングからはじめることも可能です。

この【育てなおしの家】システムの完成によって、これまでは対応が難しかったお子さんだけをなんとか変えてほしいと希望されるようなケースでも、お引き受けできるようになりました。


ご興味をもたれた方は、お気軽に不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会までお問い合わせください。

なお引きこもりの対処法を解説した電子書籍のほうもご参照ください。

絶望的な引きこもりのたったひとつの解決策【育てなおし】-引きこもりは心理カウンセリング、心療内科、精神科では治らない
引きこもり脱出

子供を守るのは親の義務

 昨年末の元横綱日馬富士による貴乃岩への暴行事件は、テレビでも新聞でも大騒ぎで、いまだにワイドショーでは相撲界の問題が連日とりあげられています。

この事件は単なる当事者同士の問題にとどまらず、貴乃花親方のとった行動が物議をかもして、ついには理事解任という結果になってしまいました。

貴乃花親方が相撲協会に報告することなく警察に訴え、その捜査が終わるまで、協会の調査にはいっさい協力しなかったことには、世間でも賛否両論あるようです。

しかし私は、親方が親で弟子が子供だと考えるのであれば、貴乃花親方のとった行動は完全に正しいと思います。

これは子供がいじめにあったときに対処すべき親としての当然の行動だからです。

このような毅然とした対応ができず、子供の心を壊してしまった親御さんを私は数多く見てきました。


大切な我が子が学校でいじめにあったとき我慢させるのは論外ですが、せいぜい先生に善処をお願いする程度ですませてしまう親御さんは多いものです。

もちろん、いじめでも無視されるとか、冗談でいじられる程度のものであれば、なかなかそれ以上の対処は難しいところですが、物をとられたとか、殴られたといったようなあきらかに一般社会であれば警察沙汰の犯罪となるようないじめに対してもせいぜい学校に報告するだけで、あとはゲタをあずけてしまう親御さんがいるのです。

いじめ以外でも、学校の先生の暴言や暴力対しても同様です。


学校を聖域だとでも思っているのか、あるいは治外法権だと考えているのか、我が子の気持ちも無視して、子供を守るという親の義務も放棄して、学校や教育委員会に任せてしまったりしています。

自身の見栄や体裁、世間体を気にしておおごとにしたくないという気持ちも働くのでしょう。

学校側が善処してくれるはずと都合よく解釈してそのまま丸投げしてしまうのです。


しかし残念ながら、学校も教育委員会も組織であり、教師も役人も自らの身を第一に守りたいという普通の人たちの集まりなのです。

都合の悪いことは隠してしまったり、責任を被害者の子供になすりつけたりするのは、むしろ当たり前でしょう。


これは決して教師や役人が悪い人間であるというわけではなく、いたって普通の人間、むしろ社会的常識をもった人間であるからこのような行動をとるのです。

懲戒処分で自分の給料が数十万円減らされるとか、出世に響いて数百万円も収入が減るといった事態は個人にとっては大打撃です。
守るべき家族があれば、なおさらです。


また、組織に属しているかぎり組織防衛の意識も働きます。
自分の属する組織が悪く思われるのはイヤだ、少しでも良いものだと思われたい、一個人を悪者にすることで自分たちが潔白だとみなされるならそれも致し方ない、このような結論になるのも当然です。

いじめというのは学校という閉鎖空間でおこなわれるうえ、加害者生徒たちも自分たちに都合のいいように自己弁護するので、決定的な証拠というものが残りにくいのです。

被害者の子はそんな圧倒的に不利な状況にあるわけですから、親が全面的に味方をして、時によっては警察の力を借りて対処するぐらいの毅然とした態度で対処することが必要になります。

今回の貴乃花親方の対応は、相撲界の隠蔽体質を知ったうえでの判断だったのでしょう。
世間の批判的な声にも負けず、我が子同然の弟子を守ることを最優先に行動した貴乃花親方の態度は立派だったと思います。

大切な我が子がいじめ被害にあったときには、世間の目をきにせず、我が子を守ること最優先に考えた行動をとってもらいたいものです。

 

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 ◆一刻も早い対処をご希望の方は、下記のHPをご覧になり、当協会の主旨や方針をご理解いただいた上で、不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会まで、ご相談ください。

 

不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会HP:

あきらめない!不登校、ひきこもり、ニートからの脱出〜不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会

 

不登校、引きこもりニート自立支援協会

(こころの臨床カウンセリング内)

TEL:06-6305-9595

大阪市淀川区西中島5-7-17

ビジネスVIP第2新大阪905号室

 

子供に命令できない親が不登校、引きこもりをつくる

子供の不登校や引きこもりに悩むほとんどのご家庭に共通した特徴があります。

それは親御さんが自分の子供に命令ができない、ということです。


最近では、友だちのような親御関係を当たり前とするような風潮があり、テレビ番組などでもそのような親子が映っていたりします。

もちろんそれはそれで微笑ましい光景ではあるのですが、そんな友だち親子の関係が良好に成り立つのは子供がちゃんと親から自立できているか、親も子も働く必要のないほどの資産をもっているか、どちらかのケースにかぎります。


学校の勉強もまともにしない、料理も掃除洗濯もやらない、ただただネットやゲームばかりで日々だらだらと過ごしているだけ、といったような幼稚園児がそのまま小学生、中学生、高校生、あるいは大人になったような子供に対しておなじレベルで付き合おうとするのは、親の義務の放棄にすぎません。

一生働かなくても生きていけるだけの財産や不動産収入などがあるようなご家庭であれば、それでも問題はないでしょう。


しかしそうでなければ、親は子供がちゃんと自立してひとりで生きていけるように教育してやらなければなりません。

これは学校の先生の役割ではなく、ましてや友だちの役割でもありません。


学校にさえ行かせておけば子供は自然に自立するもの、社会性を身につけるもの、という思いこみを多くの親御さんがもっています。

もちろん、人間はまわりの人を見て学ぶことのできる生き物ですから、学校生活の中で先生との付き合いから自立を学んだり、友人がアルバイトをしたり、就職したりするのを見て、自分も自立しなければという意識が芽生えることもあるでしょう。


しかしそれはあくまでも幸運なめぐり合わせによるもので、それとおなじだけの確率で先生や友人によって学校に行けなくさせられてしまったり、場合によっては悪の道に引きずりこまれたりすることもあります。

これはガラの悪い学校にかぎったことではなく、有名進学校や良家の子女が通う私立校でもおなじです。

ですから、学校に過度な期待をしてはいけません。


親はあくまでも親であって、その子の人生になんの責任もない友だちではないのです。

ですから、時には子供に対して命令することも必要なのです。


例えば、不登校や引きこもりの子に悩んでいる親御さんに私は、家のルールをちゃんと作ってそれを守らせてください、ということをまず第一に言います。

と言うのも大抵の場合、子供の問題で悩んでいるご家庭には、家のルールというものがないのです。


家の手伝いもさせない
ネットやゲームは使いたい放題
食事も好きなときに好きなものを食べる

このように好き勝手な生活をさせているため、自分をおさえてガマンしなければならない学校生活になじめないということで不登校になったり、しんどい仕事はしたくない、毎日決まったスケジュールで動くなんてイヤだと家に引きこもってしまうケースは少なくありません。

結局、家できちんとしたルールを作ってそれを守らせてこなかったので、社会に出てもルールを守れないようになってしまっているのです。


また、家のルールがなく携帯、パソコンは使い放題となっていて、それが昼夜逆転やネット依存からの無気力につながって、ますます不登校や引きこもりを深刻化させてしまっているというご家庭もほとんどです。


ですから、不登校や引きこもり解決の手始めとしては、やはりルールを守らせるというところから育て直しをしていく必要があるのです。


ただ、親子関係が友だちをとおりこして逆転してしまっていて、主従関係になってしまっているご家庭も珍しくありません。
(もちろん、子供が主で親が従です)

子供に命令するどころか、親御さんのほうが『あれ買ってこい』、『これをこうしろ』と、命令されていたりするのです。


まさに甘やかしすぎた結果ではありますが、最近では発達障害の影響でこのような性格になってしまったのだろうと思われるお子さんも増えてきました。

いずれにしても、ここまでくると親御さんだけでは対処できないので、カウンセラーなど第三者の力を借りるしかないのですが、それすらも子供に遠慮してできない親御さんも多いものです。


結局そんなところに、いつまでたっても引きこもりの大半が解決できず、どんどん引きこもりの高齢化が進んでいっている要因のひとつがあるのでしょう。


不登校、引きこもり解決のヒント】

子供にちゃんと命令できる親御さんは、ただしい導き方を学ぶこと

子供に命令できない親御さんは、すみやかに第三者の力をかりて、協力して対処すること

子供に命令されている親御さんは、まずはそれを拒否する強さを身につけるか、子供から離れること

発達障害を知るために

漫画に見る発達障害

今HPのほうで発達障害についてのページを連載しています。

発達障害の子供の育て方


なかなか忙しくて先に進まないのですが、これからもっともっと増えていくであろう発達障害の子どもに対する接し方、育て方を、どうしても伝えていかなければならないとの思いから少しずつ書いています。


発達障害不登校や引きこもりだけでなく、子供の様々な問題の裏に隠れた根本原因となっていることが多くなってきました。

若者の自殺や殺傷事件、振り込め詐欺などの犯罪への安易な加担から過労死まで、私にはその多くに発達障害の影響があると感じられます。


そんな中、ついに漫画の世界にも典型的な発達障害をもつ主人公が現れました。

『響~小説家になる方法』
という漫画大賞を受賞した作品です。


主人公は小説の天才的才能をもつ15歳の女の子なのですが、その子が発達障害の中でも私がとくに問題視すべきと考えている、人格障害(パーソナリティ障害、サイコパス)と自閉症スペクトラム両方のつよい傾向をもっているのです。

もちろん、作者が意図してそのようなキャラクターを設定したのかどうかはわかりません。

ただ単に自分だけの絶対的な世界観をもつ孤高の天才少女という設定で描いただけかもしれません。


しかし、この作品の主人公、鮎喰響(あくいひびき)には人格障害(パーソナリティ障害、サイコパス)と自閉症スペクトラムの特徴がとてもリアルに表現されています。

ですから、うちの子は発達障害じゃないかしらと不安に思っている方に参考にしていただければと思い、ここで紹介させてもらいました。


サイコパスというと『羊たちの沈黙』の連続異常殺人鬼レクター博士のイメージがつよく、この映画以降、アメリカの犯罪ドラマなどでも変質者や異常者の殺人鬼は決まってサイコパスと呼ばれるようになりました。

そんな極端にかたよったイメージがついてしまったため、いまでは精神医学の世界ではサイコパスをパーソナリティ障害と呼ぶようになっています。


ちなみに日本では、当初パーソナリティも訳して人格障害と呼んでいましたが、最近ではそれではイメージがきついということでパーソナリティ障害と呼ぶことが一般的になってきています。

せっかく正しい表現をしているのに、わざわざ意味の伝わりにくい英語にもどすというのは理解できませんが、とにかくサイコパス人格障害、パーソナリティ障害というのはまったく同じものであるということと、かならずしも異常殺人者とか変質者、犯罪者を指すものではないとい理解しておいてください。


それではサイコパスというのは、一体どのようなものなのでしょうか。

それに関して詳しくは私のHPの『発達障害の問題点』を参照していただき、具体例としては先に紹介した漫画『響~小説家になる方法』を読んでいただくとよく理解していただけることと思います。


ただ、やはり漫画ならではの現実的でない部分もあるので、ここでは実際の発達障害と漫画との違いについて書いておきたいと思います。


人格障害(サイコパス、パーソナリティ障害)や自閉症スペクトラムの人は天才的な才能をもっていることは、ままあります。

ですからレクター博士しかり、鮎喰響しかり、物語に出てくる場合は、天才として描かれることがほとんどです。


この漫画の主人公、響も超自己中心的で暴力的な性格でありながら小説の天才的才能をもっています。

そしてその才能や特異なキャラクターゆえ、クラスメートやまわりの人から憧れられたり、受けいれられたりするのですが、これは残念ながら漫画の世界だからです。


まず、人格障害(サイコパス、パーソナリティ障害)や自閉症スペクトラムだからといって何かにずば抜けた才能があるということは、そうそうありませんし、天才=サイコパス自閉症だというわけでももちろんありません。

むしろ最近の天才は、いま話題の棋士藤井聡太四段のように人格的にも問題ないどころか、立派であることのほうが多いような気がします。


また現実世界では、なんの才能もないのに自己中心的で人と協調することができず、優しさも気づかいもないとなると、普通は人から相手にされることはありません。

もちろんそれでも、誰にも頼らず、自分ひとりで生きていけるだけの強さ(自閉症的特性)をもっていれば問題ないのですが、皮肉なことにそのような適度な自閉症スペクトラムでない人が大多数になります。


自閉症的特性は、強すぎるとまともな社会生活ができないという問題となり、弱いと人に合わせるのはしんどいけど人から相手にされないのはつらいという、ややこしい性格になってしまいます。


また人格障害(パーソナリティ障害、サイコパス)の傾向もあわせもっていると、それに優しさ、気づかいの欠如や暴力的衝動なども加わってきたりするので、ますます人から受けいれられにくくなってきます。

にもかかわらず、発達障害の人はそんな自分の欠点に気づきにくいことが多く、なぜ自分がまわりの人たちに受けいれられないのかわからないままに、不登校や引きこもりになってしまいやすいのです。

また、時として自分が受けいれられない社会に対して敵対心をもってしまい、無差別な殺傷事件などを起こしてしまうこともあります。


これが、発達障害の現実であって、けっして漫画のように都合よく人生が運ぶことは少ないと言えます。

ですから発達障害の中でも、とくに人格障害自閉症スペクトラムに関しては、やはり小さいうちから矯正するべく、しつけや接し方を工夫していく必要があります。

カウンセラー、カウンセリングが不登校、引きこもりを作っている

ある家庭の悲劇

不登校や引きこもりの増加にともなって、その解決をうたうカウンセリングセンターがあちこちにできて、専門カウンセラーをうたう人も急激に増えてきました。

それ自体は悪いことではないように思えますが、そんな専門家と称するカウンセラー自身が不登校や引きこもりをますます悪化させているケースも少なくないので注意が必要です。


先日も、子供の不登校、引きこもりと家庭内暴力に悩んでいるご夫婦が相談に来られました。

そして、他のカウンセリングで『家庭を子供の居心地の良いようにしてあげることが大切です。そうすればお子さんに動き出す力がわいてきますよ』とアドバイスされたと言うのです。

私はこれを聞いてあ然としましたが、このご夫婦はもちろんそのアドバイスの良し悪しなどわかるはずもありません。

カウンセラーの言うことを守り、1日中無制限にゲームをさせたり、子供の要求に合わせて好きなものばかり買ってきて食べさせたりと、子供の天下のような生活をさせてきたということでした。

当然、そんなことで改善するはずもなく、それどころかどんどん暴力もわがままもエスカレートしてどうにもならなくなり、私のところに相談にやってこられたわけです。

カウンセリングは命に関わる仕事である

実はこのようにカウンセリングにかかったせいで余計に悪化してしまうというケースは、とてもたくさんあります。


たぶんカウンセラー自身はなんの悪気もなく、ただただ教えられたマニュアルにしたがってアドバイスしているだけなのでしょう。

臨床心理士やその他の心理系の資格をとって、困っている人を救おうという希望と志をもって仕事をしているのかもしれません。

ただ不登校や引きこもりのカウンセリングというのが、人の人生を大きく左右するものである、ということを全然わかっていないような気がします。

この仕事は、ひとつ間違えば人の人生を台無しにしてしまうことは普通にありますし、大げさでも何でもなく、人を殺してしまうことだってあるのです。

不登校や引きこもりの末の自殺というのは、ほとんど報道されないだけで実際はかなりの数ありますし、家族を道連れにしたり、赤の他人を殺傷したりというのは、たまにニュースで見聞きするとおりです。


失恋や対人関係の悩みといったような人生の一部分に関するカウンセリングなら、そこまでの知識も技術も経験も必要ありません。

面倒見のいい職場の先輩や人気のある占い師程度の話術があれば、相談者の心を軽くさせてあげることはできるでしょう。


しかし不登校や引きこもりというのは、その人の人生すべてがかかっている重大な問題なのです。

カウンセリングやサポートをする側も、それだけの危機感と責任感をもって当たらなければなりません。


不登校や引きこもりが増えていることをビジネスチャンスととらえて参入している業者がたくさんありますが、そのうちのどれだけが人の人生を大きく左右してしまうという責任感をもって、正しい知識と技術に裏打ちされたサポートを提供しているのか、おおいに疑問に思っています。

私自身は、この仕事は普通の仕事とは一線を画するものだと考えています。

ですから私は、自身の四半世紀にわたる不登校、引きこもりカウンセリングの臨床経験からの研究成果や解決法など、カウンセリングノウハウをホームページやこのブログを通じてすべて公開しています。


これは、他の業界、業種であれば他人にも同業者にも絶対に明かさない、企業秘密ともいうべき情報です。

しかし、そんな損得勘定やビジネスライクな割り切りでやっていては、救える人数が限られてしまいます。

真似をされてもいい、いや、むしろ私の知識も技術もどんどん盗んで真似して、一人でも多くの人を救ってほしい、そんな気持ちで情報を公開しているのです。

また遠方に住んでいて、不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会のサポートが受けられないので、近場でカウンセリングを探そうと思っている方に、正しい知識を身につけてカウンセラー選びの基準にしてもらいたいという思いもあります。


ただ現状は、まだまだ正しい情報が広まっておらず、知識も技術も経験もない不登校、引きこもりカウンセラーによって事態を悪化させられているケースが後をたちません。

ですから自分たちだけではどうにもならないと第三者のサポートを求める場合は、十分にリスクを分かったうえで利用されることをおすすめします。


ちなみに、冒頭で述べた『家庭を子供の居心地が良いようにする』というのは、どこが間違いなのか説明しておきましょう。

これは、親が子供を虐待していたり、過度な勉強を押しつけていたり、他の兄弟ばかりかわいがっていたり、酒、ギャンブル、異性などにだらしない生活を送っていたりと、家庭内の問題が不登校や引きこもりの原因となっているときの対処法なのです。

親がこれまでの自分の接し方を反省して、子供が安らげるような家庭を作ってやることで、みずから動きだす力を取り戻すということなのです。


しかし実際は、そんなひどい親が子供の不登校や引きこもりを心配して相談にやってくることはありえないので、こんなアドバイスをすることは通常のカウンセリングではまったくないのです。


そして、わがままや甘え、あるいは、発達障害などから不登校や引きこもりになって、家庭内暴力までしているようなケースで、さらに子供を甘やかして言いなりになってしまったりすると、子供はますます増長して状況が悪化してしまうのは当たり前です。


つまり、アドバイス自体は間違いではないけれど、言う相手が大間違いだということです。


どんなによく効く薬でも間違った患者に処方すれば殺してしまうこともあるのと同様に、いくら正しいアドバイスでも間違った相手に提供すれば、取り返しのつかないことになります。

最近では医師に処方された薬をネットなどでチェックして確かめる人も増えているようですが、カウンセリングを受ける場合もカウンセラーの言うことを鵜呑みにするのではなく、ご自身で調べてみるということも必要だと思います。

不登校はあきらめることも・・・

私がオフィスを構える大阪で、引きこもりの青年が民家に侵入してそこの家族を殺傷するという事件がありました。

門真市というと、昔からの住人も多い下町で、また大阪の中心からも近く通勤に便利なため、住宅街の多い地域になっています。
ですから、それだけ不登校や引きこもりの子も多くいるようです。

今回の事件は、おなじ大阪にいて不登校や引きこもりの支援をしている身としては、とても残念でなりません。
この加害者ももっとはやく適切な対応をされていれば、このような事件を起こすこともなかったのではないか、彼の母親のブログを読んでそう思いました。


私は以前から、不登校も引きこもりも放置してはいけないと言い続けてきました。

にもかかわらず、なかなかそのような考えは浸透していきません。
いつまでも、政府公認のスクールカウンセラー社会福祉士などの「あせらず長い目で見守ってあげましょう」という考えがまかり通っています。
そして、ほとんどのケースでまともな対処がなされないままに放置されています。

カウンセラーや行政の人間からすると、問題を解決するだけの技術も知識も経験もないので問題を先送りしてしまいたいという意識が強くありますし、親の側からすると現実から目を背けたいという思いがあります。
また、不登校や引きこもりを研究しているという心理学者や社会問題研究家も、本当は臨床経験がほとんどないにもかかわらず、自分たちの権威は守らなければなりません。

そんな三者の利害が一致するのが、問題の先送りという日本ならではの対処法です。
その結果、不登校や引きこもりには本人が自力で立ち直るまで放っておくのが一番だ、という意見が常識のようになってしまっているのです。


ただ今回の事件で私も、『放置してはいけない』との主張の反対のことも言わなければならないことに気づきました。

それがタイトルにも挙げた、【不登校はあきらめることも必要なときがある】ということです。

不登校を放置するなというのと、あきらめろというのとでは、正反対の主張に思えるかもしれませんが、実際はそうではありません。



放置してはいけないというのは、ほったらかしにせず、適切な対処をしなさい、ということなのです。
この【適切な】というのが、とても大事なのです。
不適切な対処をしてしまうと、治るどころか余計に悪化させてしまうのです。

これも何度もくり返し言い続けてきたことですが、やはりなかなか理解してもらえていません。
そして、自己流の誤った対処をしてしまう人が後を絶たないのです。

今回の事件の加害者の母親もそうでした。

母親のブログによると、高校入学後に加害者が登校拒否をしたとき、無理やり学校に行かそうとして車に乗せて校門のところまで連れていったということです。
そして、車からひっぱり出して、中に入るように必死で説得したり、急かしたりしている最中に加害者である息子は走って家に逃げ帰り、それから引きこもりや暴力的な行動が始まったということです。

このような強引な対応は、不登校のお子さんを抱える親御さんなら一度はしたことがあるのではないでしょうか。
単なる怠けからの不登校であれば、もっと厳しく、家から放りだすぐらいの対応が正解です。

しかし実際には、そんな単純な不登校はごく少数派です。
それ以外は、もっと深刻な理由があるのです。そんな深刻な理由のある不登校の子に、このような強引な対応は厳禁です。

ハッキリ言って最悪の対処法で、それをきっかけに子供が心を閉ざしてしまったり、精神を病んでしまったりすることがほとんどです。

ですから適切な対応ができないのであれば何もせずほうっておいたほうが、はるかにましなのです。

だから、【不登校はあきらめなさい】と言うのです。

小学校や中学校は学校に行かなくても卒業することができます。
また、高校以上が義務教育ではないので、そもそも行きたくもないのに行く必要はありません。

もちろん、不登校や引きこもりを放置しても精神状態は悪化していきます。
しかし、不適切な対処をして一瞬でひどく心を破壊されてしまうより、放置で徐々に悪化していくほうが、その過程で適切な対処法が見つかる可能性もあり、治る可能性は格段に違ってきます。

前者のように心が壊れてしまった場合は、元の状態にもどる確率はほぼゼロに近く、通常であれば、私も支援をお断りさせていただくようなケースになります。

それに対して後者のほうは、少しぐらい放置していても、まだ適切な対処をすることで改善させることは可能です。


本来は、早期に適切な対処をするのがベストですが、そうでないなら、不登校はあきらめる、これが次善の策だと言えるでしょう。

男性恐怖症のお子さんの対応が可能になりました

女のお子さんでも大丈夫

お子さんの不登校や引きこもりの相談で、どうしても対応不可能なケースがあります。
それはご家庭の事情だったり、地理的な事情だったりするのですが、どうしても私の事情で対応できないケースがありました。
それは、男性恐怖症の女のお子さんのケースでした。
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男性恐怖症でも、私と会って話ができる程度であれば改善させることもできますが、男性とは会うことができないという状態では、さすがの私も手の打ちようがありません。

また、私には大々的に組織を作って活動するほどの時間もビジネスセンスもないので、1人でコツコツと個々のケースに対応することで精一杯でした。

ですから、女性のカウンセラーを紹介して欲しい、という親御さんからのご相談にもお応えすることができず、心苦しい思いをしていました。
もちろん女性のカウンセラーはたくさんいますが、不登校や引きこもりに関してなんの知識もない人を紹介するわけにはいきません。

不登校や引きこもりの専門的カウンセリング自体が日本でもほとんどないので、経験がないのは仕方ありませんが、最低限の知識は身につけておいてもらわなければなりませんし、また、なにかあったときに私に相談してきてくれる人である必要もあります。

要するに信頼のおけるカウンセラーでなければ紹介できないということですが、これまではそのようなカウンセラーの知り合いがいなかったため、私が対応できないケースはお断りするしかありませんでした。

そんなわけで、私1人で多くの不登校や引きこもりの人たちに対応してきたのですが、少しずつ私の活動にも賛同者があらわれてきました。

以前にも紹介した、引きこもりの就労支援、職業訓練をされている方もその1人です。

この方は、引きこもりの支援をビジネスにしている業者とちがって、リフォーム会社という本業をもち、その技術や知識を活かして、さらに志をもって就労支援活動を行っています。
ですから、授業料と寮費を合わせても月4万円という破格の条件で希望者を受け入れています。

もちろん、そのような活動をされている方であるため、私としてもだれでも紹介できるわけではなく、ちゃんと精神的にも安定していて、就労に前向きな人を紹介するようにしています。


何度も述べてきましたが、不登校や引きこもりの人のカウンセリングや支援は、ひとつ間違えるとその人の一生を台なしにしてしまいます。
ですから私は、自分自身も100%の解決を目指して細心の対応を心がけていますし、協力者にも本当に信頼のおける実直な人しか求めていません。
もちろん、それが逆にアダとなってなかなか組織づくりができないのですが・・・

女性カウンセラー、自立支援士紹介できます

ただ今年は、良いご縁に恵まれているようです。
先の就労支援の方につづいて、女性のカウンセラーの方との出会いがありました。

この方は家族支援カウンセリングも行なっており、その流れからお子さんの不登校や引きこもりにも対応していきたいということで、私のもとでカウンセリングを学んでもらいました。

そして、【不登校、引きこもり自立支援士】として活動していただけることになりました。

女性ということで、これまで私が対応できなかった男性恐怖症のお子さんの対応が可能になったことは、親御さんにとっては大きな朗報になることと思います。

男であるという、どうしようもない、カウンセラーとしての私の弱点もこれでカバーされることとなりました。


いろいろな信頼のおける方々の協力も得て、少しずつですが対応範囲がひろがっていますので、お子さんの問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

NPO法人にご用心

NPO法人の落とし穴

HPO法人(特定非営利活動法人)というと、多くの人がボランティア団体のようなイメージをもってしまっています。

あるいは、ボランティアとまでは考えなくても、営利目的でなく、世のため、人のために尽くそうとしている人たちがやっている団体、という善意のイメージはもっているでしょう。


しかし実際は、NPO法人というのはなんらボランティアとは関係ありませんし、営利目的でないどころか、金儲けのためにやっている団体がほとんどです。

不登校や引きこもりの支援団体でもNPO法人を名乗っているところは多いものですが、ボランティアでやっているところは、まずありません。


それではなぜ、手間ひまお金をかけてまでNPO法人を取得するのかといえば、先に述べたような誤ったイメージをもっている人がほとんどなので商売がしやすいからです。

もちろん、商売は自由ですし、ホリエモンこと堀江貴文氏のように『稼ぐが勝ち』という考えをもった人が大多数の世の中になってしまったので、使えるものはなんでも使って商売をすればいいと思います。


ただ、そのような商売において、危険性がある場合は、それについて警鐘を鳴らすのは、事実を知るものの務めであるとも思っています。

このようなことをいうのも実は、最近こんなことがあったからです。


商売上手の人間下手

引きこもりのお子さんのカウンセリング先でのことです。

親子の会話はまったくない状態なので、私が仲立ちとなってお子さんの気持ちを伝えるようなかたちになっていました。


そしてある時、7年ほどの引きこもり生活から『人生に楽しいことがなにひとつない』という心境になっている息子さんの気持ちを伝えたところ、お父さんが『USJでも連れて行きましょうか』と言うのです。

私は一瞬、なんのことを言っているのかわかりませんでした。

小学生や中学生でなく、もう30歳にもなる息子さんなのでそんなもので気がまぎれる年でもありませんし、親御さんももちろん遊園地ではしゃぐような年でもタイプでもないので、なぜいきなりそんなセリフがでてきたのか理解できなかったのです。


私の怪訝そうな表情に、お父さんが『まえに支援をたのんだ◯◯(NPO法人)の◯◯さんが、楽しいことがないという子供は、USJでもディズニーランドでもいいので、毎日でも、何十回でも連れて行ってやればいい』と言われたというのです。

あ然としてしまいました。

もちろん、お父さんにではありません。

この◯◯さんにです。


引きこもりの子が人生になにひとつ楽しみを見いだせないのは、アミューズメントパークやスポーツ、趣味、音楽、演劇などの楽しいことの存在を知らないからではないのです。

自分は何もできない
誰よりも劣っていて何の取り柄もない
自分に自信がなくて人とまともに接することができない

そのような絶望感から人生がまっ暗闇になっていて、何をやっても楽しめる心境ではなくなっているのです。

物質的、環境的なものでなく、精神的なものからきているのです。

 

遊園地に行って楽しいのは、学校や仕事など、日常に自分の居場所がちゃんとあって、たまの休みに非日常の体験ができるからなのです。

 

人生に行き詰まり、人並のこともできないと劣等感にさいなまれている人間が、人生を楽しんでいる人たちに囲まれて楽しめるはずがありません。それどころか、どこよりも一番行きたくない地獄にすら思えることでしょう。


それをUSJに連れて行けと言うのは、引きこもり対応の素人以前に、知的レベルさえ疑ってしまいます。

NPO法人という政府が与えた大看板を掲げて、いかにも善意の専門家であるかのように装っている人間にそんなことを言われれば、大事な子供のことで思い悩んでいる親御さんが鵜呑みにしてしまうのは仕方ないことでしょう。


さらにここは、職業訓練として自前の喫茶店で、お金をとって仕事をさせるということも行なっているということです。

お金を払って仕事をさせるのではなく、お金をとって仕事をさせるという、史上最強のビジネスモデルですね。

トム・ソーヤーの冒険】からヒントを得たのでしょうか。

ワタ◯の創業者である渡邊さんに教えてあげたいシステムですね。


とにかく、ルール無用の商売の世界では、平気で人の弱みにつけこんでくる人間は多いものです。

私は、NPO法人を名乗る時点で、まず詐欺や悪徳商法であると疑います。

それぐらい用心して、ようやくまともな人間や団体に出会える感じです。

不登校や引きこもりというのは、一歩間違えると一生を台なしにしてしまう危険性があります。


先に挙げたご家族も、このような金儲けシステムだけで運営しているNPO法人にひっかかったために、解決どころか、よけいに悪化してしまい、そのまま5年も6年もたってしまったという結果になっています。

現在は、ある程度は私と意思の疎通はとれるようになってきて、仕事のほうにも意識が向いてきていますが、やはり、前回のダメージは大きく、本格的な社会復帰にはもうしばらく時間はかかりそうです。


大事なお子さんの不登校や引きこもりといった大きな弱みを抱えている方は、くれぐれも怪しくない(政府認証だとか、NPO法人だとかといった)業者にもご用心ください。

 

 

愛の力が健全な心身を育てる

心のない愛情表現はニセモノ

私は一貫して、子育てには愛情が不可欠であると言いつづけてきました。

しかし、この愛情というものを情緒的、観念的なものであると考えている人もたくさんいます。

そこで、愛情というものは心がかたちになって現れる行動であると定義し、具体的な行動として、スキンシップ、アイコンタクト、語りかけという3つの行動を示しました。


本来ならば、心がともなっての愛情行動なのですが、この3つの行動はカタチだけでも行うことで、相手には自分が愛されていると感じさせることができます。

男性でも女性でも、モテる人、おおくの人から好かれる人というのは、意識的、無意識的にかかわらず、この3つの愛情行動を頻繁に行っている人なのです。

また結婚詐欺師は、ねらった相手に対して、意識的にこれらの手法を駆使して虜にしていきます。

スキンシップ、アイコンタクト、語りかけというのは、それほど強力なマインドコントロール術なのです。


しかし、私が子育てにこの3つの行動を必須条件にしているのは、子供の心をコントロールしようなどという、あざとい考えからではありません。

このようなマインドコントロールでの愛情表現は、しょせんニセの愛情ですので、このようなニセの愛情しか受けていない子は、心や体が不健全なまま育ってしまいます。

そして、心がともなわない愛情表現をする人は、結婚詐欺師とおなじでいつかはボロが出て、諍い、確執がうまれてしまいます。


やはり、人対人の付き合いというのは、親子であっても、いや、親子だからこそ、心がともなっていることが絶対に必要なのです。

ただこのページは、そんな常識的なことを言うために書いているのではありません。

実は、スキンシップ、アイコンタクト、語りかけという3つの行動には、子供の心身を健全に育てるために欠かせない、もっと重大な秘密があるのです。

今回は、それについてお伝えします。

愛の力は物理的エネルギー

あなたも【気】という言葉を聞いたことがあると思います。

病は気から、というあの気です。

一般的には、思いこみなど精神的なもの、という意味で用いられていて、愛とおなじくかたちのないものであると考えられています。


しかし、実際は【気】も【愛】もはっきりと人間の知覚で感じとることのできる物理的なエネルギーなのです。

例えば、電車のなかで隣に体温の高い人がくると、もわっとあつい熱気が伝わってきますね。

これは目には見えなくても、熱という物理的なエネルギーが発せられているからです。


気や愛も、これとおなじようにれっきとした物理的エネルギーなのです。

ただ科学の進歩が、まだそれらを測定できるまで追いついていないため、存在があやふやなままで軽んじられているだけなのです。


我々人間は意識する、しないにかかわらず、つねに体から気や愛というエネルギーを発していて、また受けとっているのです。


気功という健康法があることは、ご存知だと思います。

気功は、自然界にある気エネルギーをとりいれたり、体内に気を巡らせたりして健康の回復や維持、増進をはかるというものになります。

気功法に熟達してくると、意識的に他者につよい気を送って、気を体感させることはもとより、健康の回復を促したりすることもできるようになります。


ただ、ガンが治るとか、神の力だなどと言って高額なお金をとったりしているインチキ気功師や悪徳宗教家が多いため、【気】にはつねにうさん臭さもつきまとっています。

そのような現状なので、気についてはあまり触れたくなかったのですが、愛や愛情行動の重要性を知ってもらうためには避けてとおることはできないため、今回はあえて気の話をもち出しました。


気というのは不思議なパワーでもなんでもなく、ある種の物理的エネルギーです。

そして、その気にはいろいろな種類があり、愛というのも気の一種になります。


この愛の気は、とくに肌の触れあい、視線、言葉をとおしてつよく伝わるのです。

だから、スキンシップ、アイコンタクト、語りかけが、子育てには欠かせないのです。


気というのは【元気】という言葉もあるように、心と身体を健康にさせる働きがあります。

親からふんだんに愛という気を受けて育った子は、当然、心身ともに健全に育ちます。


【気】や【愛】が、物理的エネルギーであることをなかなか理解していただけない親御さんもいますが、そんな方には私が気を送ってご自身の体で体感してもらっています。

私は人間心理だけでなく、整体、カイロ、ヨーガ、気功、武道、武術、そして、各種宗教と、あらゆる面から人間の存在というものを研究してきました。

ですから、大抵の人には物理的エネルギーとしてハッキリと感じてもらうぐらいの気を送ることはできます。

まあ、ここで『神の力で不登校、引きこもりから難病までなんでも治します』と言えないところが、いつまでたっても商売のド素人から抜け出せない私の欠点(?)なのですが・・・


とにかく、気功の修練は一切していない人でも、愛の気はスキンシップ、アイコンタクト、語りかけをとおしてちゃんと伝えることはできます。

ただし本物の愛の気、すなわち愛情を伝えるには、心がともなっていることが絶対条件となります。


気功の世界では、『意は気を導き、気は血を導く』という言葉があります。

これは、意(意識、心)を向けたところに気は流れていき、気が流れたところに血(血液)は流れていくという意味です。

ですから、心を相手に向けながら愛情表現をすることで愛の気、愛のエネルギーが子供に伝わり、そのエネルギーで心身ともに健全に育つのです。


親から強力なエネルギーを受けて育った子とそうでない子には、大きな差ができてしまうのです。

だから、私は一貫して愛情の大切さを訴えつづけているのです。

あなたは子供の敵か味方か

家庭内暴力を解決するために必要なこと

子供が家庭内暴力にはしる理由

人間は動物です。ですから、本能的に他人を敵か味方かに区別する習性が備わっています。

ただ、平和な社会に暮らしていると、その能力が衰えてしまいがちです。
そして、自分の子供の声すら聞き分けられなくなってオレオレ詐欺なんかに引っかかってしまったりするのです。

そんな安穏とした暮らしをしている人のことはさておき、不登校や引きこもりなどで社会に適応できていない子は、そんな敵味方の判断に関しては、極度に神経質になっています。
と言うより、自分をそんな状況に追いこんだ社会に対して敵対心を抱いていて、 まわりはみんな敵だと思ってしまっていることがおおいものです。

それは世間一般の人々に対してもそうですし、社会のシステムに対してもそのような感情を抱いていたりします。
だから、引きこもりだった人が刃物で無差別に人を襲ったりするような事件があとを絶たないのです。

そしてまた、そんな敵である社会から自分を守ってくれなかった、場合によっては、敵と一緒になって自分を攻めてきた親に対しても敵対心を抱いていることは少なくありません。

親を完全に敵とみなしてしまっている場合は、まったく口をきかなくなったり、部屋にこもってしまったり、最悪は家庭内暴力という行動に走ってしまいます。

『なぜウチの子は家族に暴力をふるうのでしょうか』
と疑問を口にされる親御さんがいますが、答えはカンタンです。
敵だから、です。
敵に対して暴力をふるうのは、動物として自然な行動です。

もちろん人間には理性があるので、本来なら暴力は理性で抑えるのが常識人、社会人としてあるべき姿ですが、そもそも不登校や引きこもりとして社会から外れたところにいるわけですから、そのような理性も働きにくくなっているのです。

なぜ親が敵になるのか

それではなぜ、子供が親を敵とみなしてしまうのでしょうか。
これは、それぞれの家庭によって様々です。

子供にとってだけでなく、人類の敵だな、と思えるような親御さんも残念ながらいます。
このような親御さんは電話の段階でお断りしているので、その後どうなっているのかはわかりませんが、たぶん、子供さんはどこかの時点で爆発していることでしょう。
あるいはお金に余裕のある人なら、強制的に子供を連れて行ってくれるような施設に預けて、厄介払いしているかもしれません。
いずれにしても、子供にとってはとんだ災難です。

それに対して、こんな立派な(社会的地位や経済的にではありません)親御さんになぜ暴力をふるうのか、と思えるようなケースもあります。
このようなケースでは、まずまちがいなくお子さんは精神疾患発達障害です。
この場合も、なかなか私の手には負えませんので、精神科への入院をおすすめしています。

上にあげた2つのような極端なケースはどうしようもありませんが、一番多いのがこれらの中間のケースです。
もちろん、中間と言っても様々なパターンがあります。

親の側の問題点は
・甘やかし
・過度な教育やしつけ
・放任しすぎ
・緊張感のある夫婦関係、嫁姑関係
・子供を裏切った、見捨てた、助けなかった
などが、よくみられます。

子供側の問題点は
・わがまま
・臆病
・高いプライド
神経症
などです。

これらが高じて不登校や引きこもりになるわけですが、ここがキーポイントになります。

このような性格に育てたのは親であり、子供もそれを自覚しています。
だからおおくの子が判で押したように、
『こうなったのはお前のせいだ』
というセリフを口にするのです。

もちろん、本当は性格形成は親の責任だけでなく、自分自身の責任もあるわけです。
ですからその責任の割合によって、ほぼ逆恨みになっている場合と恨まれても仕方ない場合とがあるということにはなります。

ただいずれにしても、子供がそんな親に対して恨みをもってしまうと、親は敵になってしまうのです。

そのため家庭内暴力を起こしている子は、敵に四方を囲まれて孤立無援の状態で悩み、苦しんでいます。
唯一、身近で助けてあげることのできる親が敵になってしまっているので、もうそこには絶望しかありません。
だから、親がどんなにがんばっても家庭内暴力はなかなか解決できないのです。

家庭内暴力を解決するには

それではどうすれば解決できるのか。

これは、家庭内暴力にいたっていない不登校や引きこもりについてもおなじことが言えるのですが、一番解決の可能性が高いのは、味方になってやれる人間が子供に接することです。
もちろん、そこらへんのカウンセラーや解決業者では逆効果になってしまうことが大半です。

なぜかというと、この敵味方の原理をわかっていないので、親の側から、あるいは社会常識という論理を振りかざして、真っ向から敵として近づいていくといった暴挙にでることがほとんどだからです。
あるいは、口先だけで同情や理解を示して取り入ろうとしたり。
そんな小芝居が通じると思っているのです。

もしカウンセラーを利用するのであれば、不登校や引きこもりだけでなく家庭内暴力も引き受けますと、ちゃんと明記してあるところを選ぶことをおすすめします。
家庭内暴力という身の危険を感じるようなケースからは逃げて、おとなしい不登校や引きこもりの子だけを扱うカウンセラーや業者は、経験も浅いかほとんどもっていないかで、舌先三寸で丸めこんでやればいいや、という程度のいい加減な商売をしているところがほとんどだからです。
自分の仕事が人の一生を左右するんだ、下手をすると人生を壊してしまうんだ、という責任感も緊張感もない、金儲けだけを目的として参入したたんなる商売人です。

それでは具体的にどのような人がいいのか、子供の味方になれるのかというと、やはり不登校や引きこもりの経験がある人間、もしくは、そのような気持ちが本当に理解できる人間ということになります。
まあ、実質的に後者はほとんどいないので、それに近い人間ということにはなりますが。

それではなぜ、経験者であれば味方になれるのでしょうか。

別にのっけから『僕も昔、おなじことで悩んでたよ』などと言うわけではありません。
そんなことをするのは、やはり経験の浅い素人です。
自分の過去など、あえて言う必要はありません。
そんなことをしなくても、子供のほうは無意識のうちにも自分とおなじ匂いを嗅覚で感じとれるからです。

武道の達人どうしであれば、技をひけらかさなくてもお互いに察知できます。
同性愛者は、自分とおなじ人間を瞬時に見抜きます。
サラリーマンはサラリーマンどうし、金持ちは金持ちどうし、犯罪者は犯罪者どうし、天才は天才どうし、なにも言わず、あえて特徴を見せなくても同類というのは通じあうものがあるのです。

これは人間の無意識、潜在意識の働きによるものです。
これが前回述べたシンパシーなのです。
そんな無意識の部分で通じあうことができれば、あとはそのカウンセラーの力量ということになります。

少々の家庭内暴力があろうと、精神疾患や重度の発達障害でなければ改善させせることはできます。
そのためには、なによりも適切な対処をすることが重要になります。

引きこもり経験者が脱出する方法を教えます

経験者だから治せる?

プロと素人との差は歴然

以前からネット上では、不登校や引きこもりの経験者が自身の体験から、不登校や引きこもりの解決方法をアドバイスします、みたいなサイトはたくさんありました。

それはそれで、不登校や引きこもりの子供を抱えて悩める親御さんたちに、なんらかのヒントとなっていると思いますのでいいことだと思います。


ただ最近では、ホントかウソかわからない不登校、引きこもり経験をウリに解決サポートしますみたいな商売をしている人をポツポツ見かけます。

彼らの理屈では、自分は不登校や引きこもりを克服したから、解決法は心得ていますよ、ということです。


もし本当にそのような経験をしながらも社会復帰し、過去の自分とおなじような悩める人たちの手助けをしたいという真摯な気持ちから支援の仕事を始めたのであれば、その志は素晴らしいと思います。

ただ心理学的見地からするとまともな業者とは思えない、うさんくさいものがあまりにも多いのは気になるところです。


例えば、自分の名前も素性も明かさず、相談の受付はメールか携帯電話だけ、というもの。

これでは怪しいことをたくらんでいますよ、と公言しているようなものです。今どきオレオレ詐欺でも、もっと信ぴょう性をもたれるようなやり方をしています。

これではインチキ業者か、まだ引きこもりからちゃんと抜けだしていないのかの、どちらかとしか思えません。

ただ、このような業者を利用する人はほとんどいないでしょうから、実害はないと思われますのでまだましです。


またこれは経験をウリにしているところ以外の業者やカウンセリングオフィス、フリースクールなどにも多くみられるのですが、HPにはSEO対策(検索で上位に表示されるように操作すること)をしっかり施して、支援内容や体験談など盛りだくさんの立派なページを作っているのに、料金については一切載せていないことがあります。

これもある意味、ボッタクリますよ、と公言しているようなものですが、一般の人はその怪しさに気づきにくいものです。

最近では、誰でもかんたんに起業できる世の中になってきたので、ビジネスの才覚のある人間が、それだけを武器になんの専門知識もない分野に参入してくることが普通になっています。


そのような業者は、最高のモノやサービスを提供することよりも金儲けが第一という考えなので、利用する場合はよくよく検討することが必要です。

何度も言っていますが、不登校や引きこもりの対応はひとつ間違えると一生を台なしにしてしまう危険性があるからです。


ただ、私のようなビジネスの素人からすると、そのやり方は見習うべきものはあると言えるかもしれません。

『お金は問題じゃない。ちゃんと治してくれる、信頼できるところにかかりたいんだ』という人たちが相談に来るため、あせらず余裕をもって対応できるからです。

もちろん親御さんの側からすると、このような業者が本当に治すことができるのか、信頼できるのか、というのはまったくべつの話にはなります。

むしろ、商売第一のこのような宣伝をしている時点でそのサポート内容、実力は推して知るべしという見方をするのがいいとは思います。

実際に良くない話もよく聞きますので、料金をきちんと表示していないカウンセラーや業者には、よほどお金に余裕のある人以外は近づかないほうがいいでしょう。



これ以外にも、経験者をウリにしたカウンセラーやサポート業者は多くいます。

やはり、自分の克服体験をもとに対処法を教えます、ということです。


不登校や引きこもりから立ち直ってカウンセラーの勉強をして開業している人は、まじめな人が多いものです。

ですからそんなに悪質なものはないようですが、ただし、だからといって解決できるというわけではありません。

経験からの対応の限界

不登校、引きこもりの原因や深刻度合いは百人百様です。また、それぞれの家庭環境も違います。

ですから当然、必要な対応もぜんぜん違います。


ふたりの不登校の子にまったくおなじ対応をしても、一方は立ち直り、他方はより深刻化するということは普通にあるのです。

不登校や引きこもりの対応には、精神状態、原因、家庭環境など様々な面から状況を分析して、それに応じた対処をすることが必要なのです。

それを自身のたったひとつの克服体験だけをもとに、いかにもエキスパートになったかのように錯覚して、支援の仕事をしようとしている人がいます。


不登校や引きこもりを自力で克服したというのは、ほんの少しの努力と最大限の幸運がいくつも重なったというだけのことなのです。

先日、北海道の山中に置き去りにされた7歳の男の子が6日ぶりに10キロほど離れた自衛隊演習場の小屋で発見されたというニュースがありましたが、それとまったくおなじです。

男の子はサバイバル術のエキスパートでもなんでもなく、幸運な偶然が重なったこととまわりの人の手助けがあっただけです。ひとつの経験にはなっても、そこになんの技術も知識もありません。
(ちなみに私は、この事件は父親の行き過ぎたしつけというよりも、いま激増中の発達障害の問題であると見ています。これからも、しつけに悩む親と言うことをなかなか聞かない子の間のトラブルは頻繁におこってくるものと思います)


また、外面的に社会に出られるようになったというだけで、精神的にはほとんど改善されていないという人もたくさんいます。

先にも述べたように自分の素性も明かさないままに、サポートします、みたいな商売をしようとしている人などは典型的な例です。心がまだ十分に成長していないのです。


結局、不登校や引きこもりの克服体験は、たったひとつの臨床例でしかないのです。

本当にプロとしての支援、サポートを行うのであれば、最低でも数十の臨床パターンを研究して、技術も身につけなければなりません。

そのうえで何百、何千と臨床経験を積みあげていって初めて、様々なケースへの対処法を身につけたエキスパートになれるのです。


ただ実際には、大学や大学院などでも臨床経験ほぼゼロの先生が引きこもりに関する講義を行っていたりするようなので、そんな大学で学んだ臨床心理士よりも、自身の克服体験というたったひとつの臨床経験でももっている人のほうが、まだましだと言えるかもしれません。

専門の研究者、本物のプロがいないだけに難しいところですね。


いずれにしても不登校や引きこもりの克服体験というのは、しょせんその程度のことでしかないのです。


私がなぜ、それをまで日本で誰もやっていなかった不登校や引きこもりの専門カウンセリングをするようになったのか、その理由はまさに私自身が経験者だからです。

しかし、私はこれまでそのことをホームページにもブログにも一切載せてきませんでした。

それは、上のような理由からなんら技術や実力を裏打ちする要素にはならないからです。

むしろ、そんな自身の克服体験をひけらかして専門家ぶるのは、ちょっと頭の回る人に見られれば、ど素人だと思われてしまう危険性すらあるからです。


そんなわけで、不登校や引きこもりを克服してカウンセラーとしてがんばりたいという人を応援したい気持ちはありますが、技術も知識もないままにカウンセリングやサポートのまねごとをしている人に関してはどうしても批判的になってしまいます。

どんな 経験もマイナスにはならない

これまで不登校や引きこもりの克服体験だけでは、不登校、引きこもりの人たちカウンセリングはできないと述べてきました。

しかし、そんな経験がまったくなんの役にも立たないのかというと、そうではありません。

やはり似たような境遇にいたという経験は相手の気持ちを理解し、心を通じ合わせるのには、とても役に立ちます。


例えば、何年も引きこもって家族ともまともに会話もせず、いろんなサポートの人間が会いに行っても話もできなかったという人が、私が行くとちゃんと話をしてくれた、という例は珍しくありません。

というより、私が会いに行って話せなかった、ということのほうが珍しいぐらいです。

また、家庭内暴力がひどくて家族だけではどうにもできず、暴れたときには警察を呼んだり、避難するしかないような状態の人でも、私には冷静に気持ちを話してくれるというケースもごく普通にあります。


私のところに相談に来られる方は、医師やスクールカウンセラー臨床心理士など様々なところをまわって、どこに行ってもらちがあかず、それどころか、よけいに悪化させてしまって、最後の望みをかけてきたというケースが半数以上です。

そのため、最初からお子さんが私と会話をしたということで、ご両親からは奇跡でもおきたかのように驚かれることもよくあります。

これは専門カウンセラーとして長年培ってきた技術だけでなく、おなじような経験をしたものどうしで通じあうシンパシーのようなものが大きく影響しているのです。

このシンパシーは、不登校や引きこもり、家庭内暴力など子供の問題を解決するために非常に重要なカギとなるので、次回もっと具体的に説明していきます。
とりあえずここでは、心の通じあいが役立っているということだけ理解しておいてください。


そのようなわけで、不登校や引きこもりから立ち直ってカウンセラーを目指そうという人を全否定しているわけではありません。

むしろ、まじめにやろうとしている人には、その経験は最高に役立たせることができるので協力は惜しまないというスタンスではあります。

ですから、こうやってブログやホームページ、電子書籍などで解決に必要な情報はすべて明かしています。


今回このように、中途半端な技術や気持ちで支援の仕事をやろうとしている人に苦言を呈しているのも、まともな技術と知識を身につけて社会に貢献してほしい、そんな思いがあってのことです。

不登校や引きこもりを克服した人たちには、経験というせっかくの宝を活かしてもらいたいと思いますし、現在、お子さんの不登校や引きこもり、家庭内暴力などにお悩みの親御さんには、誤った対処でお子さんやご自身の人生を台なしにしてほしくないと心から望んでいます。

引きこもり脱出ビジネスが急増中

子供の引きこもりは人生の落とし穴

老後破産の原因にも

私のもとに相談にこられる親御さんから、引きこもりビジネスとも呼べるような様々な業者のお話しをよく聞きます。
最近聞いたのは、引きこもりの子を強制的に施設に取れていくのに40万円、入所金が300万円、月々の費用が10数万円といったかたちで全国展開している元警察官という業者の話です。

引きこもりだけでなく家庭内暴力までともなっているケースでは、それで自分たちの身の安全と平穏な生活が確保できれば、ということで利用する人がいるのかもしれません。
以前紹介した本、『子供を殺してください」という親たち』の著者、 押川 剛氏がおこなっていた子供を精神科に入院させるという仕事も、費用が500万円ほどかかるということでしたから、精神的に病んでしまった子の対応にはそれぐらいかかるのかもしれません。

これは、人生の後半になって安定した老後に備えようと準備をしていた親御さんにとっては、思いもよらぬ落とし穴となってしまうことでしょう。
ひょっとすると、年老いた親を老人ホームに預かってもらわなければならないかもしれません。
そんなところに、我が子までおなじぐらいの大金をかけて施設に預けなければならないとなると、自分たちの生活もままならないでしょう。

早期発見、早期治療がすべての基本

引きこもりの子をかかえてしまうご家庭は、半数ちかくは特殊な家庭環境にあるものですが、あとの半数は、まったく普通のご家庭です。
いや、子供の甘やかしが強いという傾向はありますが、それは現代の家庭のほとんどがそうなので、その程度であれば標準家庭であるといえるでしょう。

そんな標準家庭に降って湧く災難が子供の引きこもりなのです。

ただしこれは、現代では2人に1人がガンになるのとおなじことですから、心がけ次第で被害を最小にくい止めることもできます。
最初からだれにでもその危険性はあるとして、日頃から予防に気をつけること、そして、なんらかの異常がみられたらすぐに専門家にかかって、早期発見、早期治療につとめればいいのです。

甘いモノを食べ過ぎれば糖尿になるように、子供を甘やかしすぎれば問題行動を起こすようになるというのは、当たり前の流れとして、つねに意識しておかなければなりません。

引きこもりや家庭内暴力も手遅れになってしまっていれば大金をかけて業者に預かってもらうしかありませんが、そこまで悪化していなければ数十分の一から数百分の一程度の費用で解決できるものです。

がん治療でもセカンドオピニオンというものがあるように、いきなり大金を使って最終手段にでるよりも、まずは専門家に相談されることをお勧めします。

ちかくに相談できる専門家がいない場合は、私の電子書籍

不登校、引きこもりは心理カウンセリング、心療内科、精神科では治らない!施療率36%中解決率100%の不登校、引きこもり専門カウンセラーが教える完全解決マニュアル】

をお読みいただければ、どの程度の対処が必要なのかの判断が容易にしていただけることと思います。

本書についてのより詳しい説明はこちらをご覧ください。

お子さんの人生を台なしにしてしまわないためにも、また、ご自身の平穏な余生を手に入れるためにも、はやめの適切な判断と対処が肝心です。

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 ◆一刻も早い対処をご希望の方は、下記のHPや電子書籍をご覧になり、当協会の主旨や方針をご理解いただいた上で、不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会まで、ご相談ください。

 不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会HP:

あきらめない!不登校、ひきこもり、ニートからの脱出〜不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会

  不登校、ひきこもり、ニート自立支援協会代表

天地真理(あまちまさみち)

 

同情と愛情とは別もの

自分勝手な思いやりは人を傷つけることも


『日々、反省』みたいな殊勝な心がけをしているわけではないのですが、それでも、時々は相談者さんから反省させられることがあります。

ちなみに、私は一般にカウンセリングで用いられる『クライアント』の代わりに『相談者』という言葉を使っていますが、これも今回改めなければと反省しているひとつです。


私が一体どんな反省をしたのかというと、自分勝手な思いやりは逆に人を傷つけたり、迷惑をかけてしまったりする、ということに改めて気づいたことです。


普段、お子さんの問題に悩んでいる親御さんたちに同じようなことを言っているのに自分自身がそれに気づいていなかったのですから、やはりまだまだカウンセラーとして未熟だったと言えるかもしれません。


親は子供のためによかれと思って身を削って尽くしてやったりするものですが、時としてそれが自分勝手な思いこみで子供にとっては迷惑でしかなかったり、子供の自立心を削いでしまったりして、アダとなっていることがあります。

これは自分ではなかなか気づきにくいもので、そのようなところをアドバイスさせていただき、お子さんへの接し方を変えていただくだけで、不登校や引きこもりがあっさり解決してしまうということはよくあります。

ですから人に何かをしてあげる場合は、自分の思い込みや気持ちでなく、相手の状況をよく見極めて、本当に必要なことをしてあげる必要があります。

また、中途半端にしかできないのであれば、最初からしないほうがいいということもあります。

カウンセリングもビジネスか?

私はお金の話をするのは、どうも苦手なのですが、今回はそれも反省事項なのであえて書きます。

きっかけは、以前相談に来られた方が某サイトのレビューで私のカウンセリングや料金について酷評を載せていたことを別の相談者(今回はまだこれで統一しますね)の方から知らされたことです。

ありがたいことに、知らせてくださった方はすぐにフォローのレビューを書いてくださっていましたが、やはり誤解されるようなところがあったのは事実ですから反省し、訂正しなければなりません。

ひょっとしたらこれをお読みの方の中にも、同じような誤解をされている方もいるかもしれませんし。

というわけで今回は、私のカウンセリングに対するスタンスと料金も含めたシステムについてお話したいと思います。


私は、通常のカウンセリングを1時間6000円で行っていました。

これは、一般のカウンセリング料金の相場を知っている方はお分かりかと思いますが、最低レベルの金額です。

これより安いものは、病院の保険扱いのカウンセリングか、行政機関の無料相談か、開業したての初心者カウンセラーの練習カウンセリングぐらいになってしまいます。


料金、価格というのは、 ブランド物などをみてもわかるように、 技術や質の良さ、価値をあらわす指標でもあります。

ですから、自分で言うのもなんですが、私のように実績のあるベテランカウンセラーが最低料金に設定しているというのは、社会的にも、経営的にもマイナス面は小さくありません。

最低料金にこだわるのであれば、若いスタッフを雇って彼らにカウンセリングをやらせるというのが普通です。

ただそれでも私は、自分にしかできないから、そして、お金に余裕のない人でもなんとかしてあげたい、という思いでずっと開業当初から変わらぬシステムでやってきました。


その上、メールや電話での相談は無料でおこなっているのですから、商売や経営を少しでもかじったことのある人からすれば『お前はバカか』と言われるような、ど素人の経営です。

メールにしろ電話にしろ、それだけで30分、1時間とかかってしまいますから、相談が立てこんだりすると、それだけで半日ぐらいは余裕でつぶれてしまい、食事もろくにとれないこともままあります。


それでも、少しでも人の助けになればという思いでやってきたわけですが、これがまさにかん違いであり、アダとなってしまっていたわけです。


私のオフィスでは心理カウンセリング以外に、認知行動療法催眠療法インナーチャイルドセラピーなど、各種の治療メニューがあります。

そして心理カウンセリングというのは、基本的に心身ともに健康で心を病んでいない人を対象としたものになります。
健全な心をもった人が失恋した、受験に失敗した、職場でイヤなことがあった、などで心の持ち方をアドバイスしてほしいというようなケースです。

このような治療の必要のないケースでは1時間のカウンセリングだけで解決できることもあるので、料金を1時間単位で設定しているのですが、ここで誤解が生じてしまったのです。


大きなトラウマを抱えていたり、神経症精神疾患をもっていたりする人がカウンセリングで治ることはありません。

ただ神経症精神疾患であっても、まだ症状が軽い場合でカウンセリングを希望される方にはカウンセリングも受け付けていたのですが、やはり心を病んでいる人は事情が複雑なことがほとんどであるため、話を聞くだけでも1時間はかかってしまいます。

そこから治すためのカウンセリングが始まるわけですから、1回のカウンセリングに当然2時間前後はかかってしまいます。

ところが1時間6千円と表示しているため、神経症精神疾患、虐待などによる大きなトラウマをかかえた人などから、
『1時間で治らないまでも、症状が半減ぐらいはするんじゃないか。そして数回も通えば治ってしまうんじゃないか』
と、過大な期待をもたれてしまっていたのです。


なるべく負担にならないようにと最低料金に設定していたのもアダとなって、
『それぐらいなら、1、2回はなんとか払えるから』
と、頑張られてしまっていたようです。

もちろん私にありあまるほどの時間とお金があれば、そのような頑張りに応えて無料のカウンセリングを継続して提供したいところですが、メールや電話での無理カウンセリングについで、面談でのカウンセリングまで無料でおこなってしまうと生活が破綻してしまいます。


そんなこと最初からできるわけはないのですから、本来は他のカウンセリングオフィスのように、相談者ではなくクライアント(お客さん)として扱い、適正料金できちんとビジネスライクに対応するのが正しかったのです。


ヘタな同情心で対応しきれない人にまで期待をもたせてしまうと、逆に迷惑をかけてしまうということに今回は気づかされました。


結局、そんな誤解をまねくような経営システムをとっていた私がすべて間違っていたわけです。


そのようなわけで、私も現在のような素人経営のシステムを改めようと反省した次第です。


不登校や引きこもりのカウンセリングにおいては、ご家庭や当人の状況を勘案して、私の手に負えると判断したケースのみお引き受けしています。

それと同様に一般のカウンセリングにおいても、今後はきちんと適切な療法を継続して受けていただける方だけを対象とするシステムに変えていこうと考えています。


またカウンセリングという言葉自体が、治療ではなく、1回でもスッキリする傾聴カウンセリングの軽いイメージがあるため、まずはカウンセリングという言葉を自粛することから始めようと思っています。
(不登校や引きこもりは治療よりも相談的側面が強いため、そのままカウンセリングと称します)

子供を不登校や引きこもりにさせないために

親の愛情不足は問題であるが・・・

愛情だけで子供は天才にはならない

子育てで一番大事なことは、乳幼児期にとにかく愛情をできるだけ多くあたえること。
これは、私が一貫して主張し続けていることです。
しっかりと愛情を注ぐことで、心が強くたくましく育っていくのです。

しかし、最近ふと気づきました。
私があまりにも愛情ということを強調しすぎたために、愛情さえ与えていれば、子供は賢く、優しく、立派な人間になるんだと誤解している人もいるのではないかと。

いくら愛情をあたえたからといって、習ったこともない英語をペラペラとしゃべりだしたり、数学の問題をスラスラと解いたりできるようになるはずはありません。

子供は親のコピー

それでは、愛情をしっかりあたえると子供はどうなるかというと、心がまっすぐに育つのです。
植物でも栄養分が偏っていたりすると、曲がって育ったりしますね。
それと同じです。

子供の心も、愛情という最高の栄養素が不足してしまうと曲がったり、ゆがんだりしてしまうのです。
しかし、まっすぐに育てばいいのかというと、そうでもありません。

子供の心がまっすぐに育つということは、まっすぐ親を見て、そのとおりになるということだからです。

PTAの集まりや学校行事などでも、人の迷惑もかえりみず、傍若無人な振る舞いをするような人がたまにいますね。

このような人でも、自分の子供にだけは優しく愛情をタップリ注いでいたりすることはよくありますが、そのような親に育てられた子は、やはり親と同じように、わがまま放題で無神経な性格に育ってしまいます。

また反対に、自分に自信がなく、いつもオドオドとまわりに気を使いながら生きているような人が、子供に愛情をタップリと注いで育てても、やはり子供は親と同じようなオドオドした正確になってしまいます。

ですから、いくら愛情タップリに育てても親自身が人間的に問題があると、子供は親を手本としてまっすぐ育つので、やはり問題のある子に育ってしまいます。

もちろん親はふたりいるので、バランスよくいいところだけを吸収してくれれば問題はありませんが、それにはやはり接し方を工夫する必要があります。

もっと手っ取り早いのは、親自身が、子供にはこうなってもらいたい、と思うような模範的な人間でいることです。